若いときにやっておいて良かったこと

2025年6月14日対人・メンタル雑記

懐古

夏ですね。

照りつける太陽、熱されたグラウンド。暑かった昔の夏。

蝉の声が鳴り響く近所の道を走り帰ってきた時の麦茶の美味しさ。氷の冷たさ。

冷房がきいたリビングで体を冷やし、また友だちの声と共に外へ繰り出す。

運動場を駆け回って擦りむいた膝、誰かと手を繋いで公園に向かった夕方の風、かき氷を作ってくれた母。

日焼けした肌。

心から笑った兄弟とのゲームやふざけ合い。20歳が果てしなく遠く大人に思えた幼い頃。

二度と経験することはできない子どもの思い。

 

熱さも冷たさも全てが希望で毎日が探検だった。

生命力が漲る夏と共に力一杯育っていたあの頃。

手を伸ばしても届かない。話しかけられない。戻れない。夏は一生懸命に走り抜ける季節。

振り返った時にそれは力強く輝いて、いつまでも鮮やかに色濃く残る。

 

暑くて眩しかった夏は今はただの暑苦しい夏。

でもその日限り強く、みしみしと音を立てるような日中の日差しは

人生のピークを思わせるようで少しの切なさを心に運んでくる。

この暑さが過ぎれば、静かに落ち着いていくのだから、きっと今年も一瞬で駆け抜けて行く夏を、

二度と手にできない今を大切にしていこうと思う。

 

さて前置きが長くなりましたが、みなさま、夏をどうお過ごしでしょうか。

 

私は学生の頃に、語学留学を経験しました。

はじめは研修で1ヶ月、次は一人で半年。

すべてがはじめて尽くしで、涙と緊張と出会いを通し、成長したと思えた良い経験でした。

 

もう大学生だったとはいえ、一人で世界に飛び込んだ勇気。

ゼロが1に、1が10になっていく、世界が広がる楽しみを経験しました。

出発前日は、実は逃げたい気持ちと、大きな挑戦をしようと決めてしまった後悔とで、つぶされそうでした。

ひとりで部屋でドキドキ、どんよりした気持ちでいたと思います。

家族に見送られる時は我慢してたけど、一人になったあと、泣きました。

飛行機の中でも泣いた。着いてからも泣いた。

でも、一歩踏み出すことで、世界がガラッと変わることを知った。

いっぱい泣いた分、いっぱい笑った。

 

うちの父は超過保護で、何もかもすべてやってくれるような親なのですが、留学だけは、半ば強制的に行かされました。

もちろん、私が英語が得意だったので、それを見て決めたんだと思いますが。

それは、子どもの可能性を広げることと、世界を知って欲しいという、親心だったんだと思います。

ホームシックで泣きながら電話した時、「到着しただけで100点だから、いつでも帰ってきていいよ」と言った父ですが、親としては心配と責任が重くのしかかっていたことでしょうね。

でもおかげさまで、がんばって色んな人に話しかけて、かけがえのない経験を得ました。

 

私にはこどもはいませんが、甥や姪を見てると、親の方針というのがとても大きいんだなと感じます。

弟の子供はたぶん海外に興味は持たないだろうし、姉の子供は日本に興味がない。

それでも選択肢を広げてあげたいという思いは同じ。

何かにトライするというのは緊張するし困難もあるし嫌な思いもする。でも一時的にでも海外に

ぽんっと放り出してくれたことは本当に意味のあることだったと思います。

自分がもう経験できない若さを生きてる甥姪の未来を楽しみにしたいと思います。