ドキドキハラハラのドキュメント「ヤマケイ文庫 ドキュメント 道迷い遭難」を読んだ感想

2021年10月14日my favorite & おすすめレビュー

「道迷い遭難」を読んで

みなさま、登山の経験はおありですか?

もしあって、少しでも怖い思いをした方なら、わかってもらえると思います。この恐怖感・・

 

最近読んだ本が、非常にリアルでしばらく緊張感のある余韻に支配されてドキドキしていました。

小説ではなく、「ヤマケイ文庫 ドキュメント 道迷い遭難( 羽根田 治 著)2015/09/18」というドキュメント本ですが、小説のようなスリリングな展開、そして人間の心理、山で遭難した時の奇行、自分も容易に陥ることが想像できる心理状態なので、読んでいてハラハラします。

あらすじ

山岳遭難のなかで最も多いのが「道迷い遭難」。
本書では実際に起きた「道迷い遭難」を取材し、遭難者の行動をつまびらかにして登山者への警鐘とする。
道に迷い、何日間も山中をさまよう恐怖―。
登山者の盲点でもある、誰もが陥りがちな道迷い遭難。
その7件の事例を取り上げ、原因を探り未然に防ぐ方策を検証する。(Amazonの本の紹介文より)

本では、実際に山で遭難し、無事生還した方々の話が描かれています。その時何を考えて何が起きていたか、どの時点で遭難したことを自覚したか、今どう考えるか、といった心の動きや行動について細かに書いています。

悲壮な感じではなく、淡々とステップを踏んでいったに過ぎないけど、それが悪い方へ進んでいた、後から考えると、冷静さを失っていたことに気づくけど、あくまで本の中の登山者は意外と楽観的で、強いのです。それがまた客観的に見ると、怖い。

怖さのわけ

何が怖いのか、考えてみると、多分、冷静になる前にどんどん進んで行き、怖い方危険な方へ知らず知らずのうちにどんどん自分を追い込んでいること。何かを期待して、「きっと合ってる」、「きっとこの先に光が」、「また違った、でもきっとこの先には..」と根拠なく進み続け、前進したい気持ちに駆られる、そして気づいた時には戻ることも不可能になっている。引き返すことが近道だとはなかなか思えなくなるんですね。

もう一つは、たとえば、一つだめになると10こだめになってもいいやと寛容になる心理状態も恐怖。違うかもしれないけど、たとえば、はじめは指のさかむけでも痛くてうじうじしてるのに、一旦擦りむき傷ができると、切り傷くらい、怪我くらい仕方ない、と寛容になっていくようなその感覚、、?10円1円をケチってたはずが、ふとした心の変化があると簡単に5000円支払うような、、割と空いてる電車では座席が一つ二つあいていても座りにくいのに、満員電車では我先にあいてる座席に飛びつくような(これは全然違う)?

例が下手で恐縮ですが、たがが外れるというのでしょうか。冷静さを失うことが正気を失うことと繋がり、怖く感じてしまうのでしょうね。

まとめ

私も学生の頃に、みんなとはぐれて一瞬だけドキッとしたことがあります。

夫もカナダ滞在時、暇な日にグラウスマウンテンに一人で登ってみた時、ふと近道を探してみようと思って登山道を外れ、気づくと道はなく、誰もいなくなったそうです。幸い、木にリボンがくくりつけてあった方へ進んだら戻れたみたいですが、それも、本によると怪しい(リボンがいつも道標だとは限らない)ようです。

山を甘く見るなとは聞きますが、この本を読むまではあまりピンと来ませんでした。「迷ったら戻る」今後は口酸っぱく?伝えていきたいと思います。

幸いこの本の7件の方々は無事に生還を果たしましたが、遭難のニュースは頻繁に耳にします。

道迷い遭難を避けるための登山者の心得として読んで損はないかと思います!